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小学校を見て回った二人は、ゆつきの実家に向かった。
実家に着くと、七美は一人で大袈裟に感激しながら、家の中を一通り見て回る。
それから二人でゆつきのアルバムを見た。
夕方になって母親が病院から帰ってきて、夕飯の支度を始めると言ったけど、ゆつきは外で食べるからと断って、七美と出かけることにした。
ずっと父親に対しては恐怖感を持っていて、怖いから嫌いだったのだけど、母親に対しては怖くはないけど嫌いで、それは今も続いている。
父は怒るときは怖いけど、何もないときはゆつきに害を与えなかったけど、母親は一々小言が多くて、ずっと煩わしい存在なのだ。
空気を読まないところも嫌いで、出来れば一緒にいたくない。
今まで七美に対して、父のことばかりで母のことは何も言わなかったけど、七美はそういうのを敏感に察したみたいだった。
夕食を済ませて実家に帰っても、母は何も話しかけてこなかったけど、先に七美がお風呂に入って二人きりになったところで、案の定色々と話しかけてきた。
母は父が娘の同性愛を許したことにどうしても納得がいかなかったみたいだけど、今更どう説得されようとも、ワタシが七美と別れることは有り得ないと言い放ち、結局話はそれで終わった。
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