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そして就寝時間になって、七美と二人で自分の部屋の小さなベッドに寝ることにした。
母がいるから、今夜は我慢しろと言ったのに、七美はその方が興奮すると言って襲ってくる。
さっき母とは交渉決裂して、おそらく父が亡くなった後は疎遠になるだろうと思ったゆつきは、母に気を使うのを止めることにして、七美の攻撃を受け止めることにした。
母が聞いているかもしれない。
そう思うと、七美の言った通り、妙に興奮してしまい、激しく燃え上がってしまった。
幼い頃にいつも一人ぼっちで、辛い思いを抱えてくるまっていたベッドで、たっぷりと愛し合ったゆつきは、初めてこのベッドで心の底から熟睡することが出来た。
翌日、二人はもう一度病院を訪れ、昼まで父の相手をしてから、自宅へと戻る。
次にこの町に帰って来るのは、おそらく父が死ぬ時だろうとゆつきは重い気持ちになった。
夜になって兄からの電話。
父から自分が死んだら、オマエの精子を提供してやれと言われたらしく、兄はいつでも協力してくれると申し出てくれた。
ソファーの上でよだれを垂らして眠っている七美を見て、微笑ましく思う。
二人で子供を育てて、ずっと一緒に生きていきたい。
ゆつきは未来の幸せなときを、脳裏に思い描いた。
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