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「もーこんな話おしまい!もう今日は寝ようぜー」
「ん。そうだね」
[今日は]と言われると、まるで明日もここにいて良いように聞こえる。
事実、響はそのつもりのように見えた。
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「んー…」
朝だってことはわかってる。
窓からカーテンを抜けて入ってくる光が眩しいから。
けど……眠い。
「伸人―起きたーー?」
思考をめぐらし、昨日人を泊めたことを思い出し、そいつの名を呼んでみた。
「……」
けど、返事はなくて。
「まだ寝てんのー?」
隣に敷いてあるべき布団に体を捻って目を向ける。
「…え?伸人…?」
いるべき人は消え、あるべき布団だけがそこに綺麗に畳まれ置いてあった。
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「あーー」
天を仰ぎ、肺いっぱいに煙を吸い込む。
「なんか久しぶりな感じ」
響の家には灰皿がなかった。
ってことはタバコは吸わないってこどで…そんな人の家でタバコを吸わして欲しいって言うのも悪いよなぁとか思ったりなんかして吸えずにいたわけで。
自覚してしまうほどのヘビースモーカーの自分には…正直きつい。
「響、起きたかなー」
何も言わずに出てきてしまったから、少しばかり気になってはいるけれど…
「戻るわけにもいかないし…ね」
一人呟いて、タバコの火を消した。
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