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「で?俺は殺されそうになったり助けを求められたり、どうすれば言い訳?」
公園へ向かう道中、大人しく数歩後ろを歩くスーツの男に話をふる。
さっき、聞きなれない名前を出してた気がするけど…
「佐久間様は縛られてるんだ、あいつらに…だから…」
「ちょっと待った。えーっと、まず佐久間様ってだれ?」
「なっ?!」
登場人物をどんどん増やしながらさくさくと話を進めようとする男の話を遮りおそらくメインの登場人物である佐久間様について問うと、ついてきていた足音が止まった。
振り返ると明らかに驚いた顔。
あれ?俺の知り合いなのか?
…佐久間様…さくまさま…?
「やっぱわからん…誰?」
「…っじかよ」
「ん?」
「マジで言ってんのかよあんた?!!」
再度問いかけると、怒声とともに迫ってきた男に胸ぐらを掴まれた。
「ちょ…待って、ホントしらないんだって」
「あんたに毎日飯を運んでたやつは?あんたをあの場所から出してくれたやつは?!もう忘れたって言うのかよ!それともはなから覚える気なんで無かったて言うのかよ?!」
あぁ…そういう事か
「あいつ、佐久間って言うのか」
「覚えて…いるのか?」
男の手から力が抜け困惑の表情を浮かべる。
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