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年はたいして俺と変わらないと思うのに。
行動が、仕草が。なんか子猫みたいな
そんなことを考えていたせいか、自然と言葉に笑いが混ざる。
適当に見つけた公園のベンチで二人並んで肉まんを頬張る
傍から見れば友達同士。何気ない風景。
だけど実際は、まったくの他人。たった今さっき偶然出会っただけの…不思議な関係。
「…」
「…っな…なぁ。なんでこれ、すんなりくれたわけ?」
沈黙は嫌いなほうではない。と言うよりも、喋ることが無いなら無理に喋る必要も無いと思っている俺に対して、隣で肉まんを食べている奴はそう言う空気が苦手らしく、やっとのことで見つけた話題を俺に振ってきた。
「なんでって…欲しかったんでしょ?」
「そうだけどさ、なんか、普通くれねーじゃん」
「そういうもん?」
どうして?と聞かれて答えを持っていない自分に苦笑する。
何も考えず、「欲しい」と言われたから渡した、そんな感じだったから。
「俺、自分の意思無いんだってさ」
「なにそれ」
「さぁ?」
何となく、思いついた言葉を発してみたが、そうか。これ、さっき言われた言葉だね。
「へんなやつ」
そう言って彼は肉まんの少々大き目な最後の一欠けらを口いっぱいに放り込んだ。
「よく言われる」
俺も最後の一口を食べ終えこの後のことを考えてみる。
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