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きっとまた会える。
そう信じたい気持ちと諦めの気持ちがないまぜになり、私の心は千々に乱れていた。
空港までの見送りを許されなかったアンとは、研究所の門の内側で別れなければならない。
体に埋められたGPSのおかげで警戒されていなかったのと、帰国までに充分な準備期間があったおかげで、「飛ばし」と呼ばれる無名義のプリペイド携帯を二台、手に入れられた。
行動が少しでも遅ければ、私は研究所の外につかいに出される事はおろか、所内を自由に歩けなくなっていたかもしれない。
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