Similar to curse

13/26
前へ
/40ページ
次へ
重たい溜め息を吐き出してから、木箱の蓋を開ける。 そこには何度も目にした骨壷と、しおれた紫苑の花。 取り出してそっと壷の蓋を開ければ、白い小さな頭蓋骨が現れた。 父性が芽生えてから初めて対面する我が子が、こんな姿だなんて、悪夢のようだ。 けれどこれが紛う事なき現実。 慟哭と共に全てを破壊したいほどの哀しみが、私を飲み込まんと押し寄せてくる。 それは心の奥深くに根を張り、憤怒と憎悪の花を咲かせる。 花はやがて、復讐という実を結ぶだろう。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

776人が本棚に入れています
本棚に追加