第1章

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夏休みになって、「みか」には1ヶ月以上あえなくなる はずだったんだけど、ある出来事があって結構夏休みの最初の頃に 会うことになった。 ・・・偶然だよ、狙ってないからな。 その日は街で買い物をしていた。 洋服買って、靴を見に行こうと路地を曲がった時に 中学生ぐらいの女の子がちょっと時代遅れのヤンキー女子2人に 絡まれていた。 勇気を出して助けようと声をかけようとしたら ヤンキーに先に見つかって、お得意の「ナンジャ!ワレ!」みたいなこと叫んでた。 暑くてイライラしていたから、カチンときてヤンキーに近寄ろうとしたら 俺の横を風が吹き抜けた。長い黒髪をたなびかして。 ・・・かっこよかったなぁ、あの速さ! 「みか」だった。 ヤンキーの前に仁王立ち。 イキがって絡んでくるヤンキーにゆっくり右手をあげてパーを見せた。 ヤンキーがキョトンとしていたら、パンパーン!と往復ビンタ! ヤンキーはあっけにとられてへたり込んだ。 「みか」はヤンキーに向かって 「女の子がそんな言葉使っちゃダメ。嫌われるよ。」 「ごめんね、叩いちゃって。私空手やってるから力強いの。」 そうしたらヤンキーはペコって頭下げて逃げて行った。 絡まれた女の子にお礼言われて振り返った時に俺に気がついた。 「!」 驚いたと同時に 「みか」は顔真っ赤になっていた。 ・・・あの顔は今だに覚えてるぞ、見せてやりたいよ。
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