来る!春!

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「…俺たち空気だね」 「お前に泣きべそ啓介の世話ができんのか?」 「無理だね、絶対」 「だろうな」 そして瑛介と教室の前で別れ……たくなかったからずっとくっついてたら、烏童に誘拐されて仕方なく教室に入った もちろん、瑛介に手を振ることは忘れない 見た感じ…そこまで悪いクラスではなさそう うちは男子校だから、気を使うこともないし楽だ 「烏童、席は?」 「俺は廊下側だな」 「…これも違う」 「啓!俺は啓の前の席だよ?」 「ん、行く」 浅葱の袖口を引っ張って自分の席へと移動する 浅葱が後ろで気持ち悪い顔してるけど気にしない… だって、浅葱がいてくれるなら安心するもん 烏童のほうがいいけどね いや、瑛介に叶うやつはいないや でも、浅葱はチャラ男だし、モテモテくんだから…呼び出しが多くてあんまりそばにいてくれない 寂しい…だなんて言わないもん 「あ、浅葱くん!ちょっといいかな…?」 「いいよー!」 あ…行っちゃった… 寂しくない…。寂しくない…。寂しく… ダダダダダ… ギュッ 「うおっ、啓介?」 「むー…」 「あー…アイツまた告られてんのか」 「…寂しくないもん」 「まだなんも言ってねぇよ…。ほんと朝は低血圧でテンション低いくせに甘えん坊全開だからなぁ…」 「…俺、嫌い?」 「逆、好きすぎて目が離せないよ」 「へへ」 こんな甘い会話して、俺の寂しさを吹き飛ばしてくれる烏童が好き でも、付き合ってないからね?
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