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「あのね、多重人格て知ってる?」
「そりゃ知ってるけど」
「人間は難題に直面したり、強いストレスを受けたりすると、思考がフリーズしちゃうの」
「あー、まあねえ」
「ところがね、これを解決する方法があるの」
「それが…多重人格?」
「そう。アタマが1つでも、そこにある人格を複数にすると問題の処理能力があがるの」
「そうなのか?信じられないな」
「多重人格のそれぞれの人格はゼンブ違うの。視点も違えばアプローチも違う」
「へえ、」
「アタマは1つだから、人格が1つでも複数でも総知能指数は変わらない。ただ問題処理の能力は確実にあがる…人間が危機に瀕したときに、しばしば起きる現実の現象よ」
「なるほど、でも…」
「なに?」
「なんか、催眠術だか心理療法を受けてるような感じだなあ。大丈夫なんだろうね?」
「だいじょうぶって、なにが?」
「いや、精神に異常をきたしたりとか」
「なにいってるのよ、大丈夫に決まってるでしょ」
「ホントに?」
「本当よ。何のために最初に神を設定したと思ってるのよ」
「え、神?」
「そう、神。それはあなたの人格の統合の象徴よ、さ」
「えーっ…」
「分割しましょ♪」
「えええーっ…」
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