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3.
わたしの次の当番の日、再び彼は本を返却にやって来た。そして、また、第三者を引き連れていた。
前回と違うのは、それがこの間の彼女ではなく、男子生徒だったことだ。何処のクラスの何という生徒だったかは忘れたが、何度か顔を見た記憶があるので同学年だろう。
そしてもう一つ違うのは、前回の彼女とは違って、同行する男子生徒がわたしをじっと見続けていること。自意識過剰だと思うだろうか。いやしかし、勘違いしようのないくらい強いまなざしを向けられ、前回以上に顔をあげられず、貸し出し返却の作業がおぼつかない。
前回の彼女は全くわたしに興味がなさそうで、終始彼の方ばかり見ていたので、かえって楽だったかもしれない。
「なあ。」
突如、頭上から降ってきた声に、びくりと肩を震わせておずおずと声の主を見上げた。怒っているようには聞こえなかったが、あの彼の優しい声とは違って、声の主である友人と思しき人物にはぶっきらぼうかつ無遠慮な印象を受けた。
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