第1章

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1. 「じゃあねー」 「まった明日~」  日没が早まりつつあるこの季節、生徒たちはホームルームが終わると共に足早に教室を去っていく。  秋から冬にかけては部活動の活動時間も短くなっており、とくに屋外の部活動は大変だろうな。  わたしはというと、週に3日の図書委員の仕事のために図書室へと向かう。  読書が好きで、書店や図書館の雰囲気も空気も好きなわたしにはぴったりの委員会だと思う。  ただ悲しいことに、部活動の終了時刻同様に、図書室の閉室時間も早まってしまう。  むしろこれからの季節――受験シーズン・・・!――こそ、図書室は必要とされるんじゃないのかなあ?とは思うが、 「日が沈むのが早まるのよ、生徒の安全第一です!」 という先生方の意見を変えられるだけの意見もなにもないわたしは、最近では抗議するのもあきらめてしまっている。
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