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ドキドキしながら、そしてこのドキドキがばれてないかと、冷や冷やしながらキンモクセイを眺めた。
ふと、彼が腰をかがめ、わたしの耳元で囁いた。
「初恋とか、真実の愛って意味もあるんだよ。」
わたしは驚いて、「ひゃっ」と小さく嬌声をあげながら後ずさる。
「ははっ」といたずらっ子のような笑顔を向ける彼。
どちらかというと大人びた顔立ちで、いつも図書室の隅で本を読んでいた大人しいイメージとは違う。
年相応、というよりはもっと子供っぽく見える笑顔。
しばらくキンモクセイを眺め、匂いを堪能した。
彼がわたしに向き直り、わたしの頭にポンと手をのせながら微笑む。
「また、君の当番の日に返しに来るね。」
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