完璧な男の中身

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態度を変えた原因は不明なまま、私は王子に送ってもらう事になった。門を出た途端 「人のバナナケーキかなり食って、図々しい女だな。もっと遠慮したらどうだ?」 『文句を言いたかったの!?』 「それはどうも失礼しました。あまりにも美味しかったので、つい食べてしまい申し訳ございません」 常連さんの家族だし、あまり突っぱねる事もできないので、嫌みなくらいの敬語で返しておいた。 「そう言えば、ボール激突した相方だろ?あんたは背中見せてもらってないよな?」 「そうでしたっけ?」 「人のケーキ食べたんだから、背中見せてくれよ」 「お断りします!こんな道端で女子に服を脱げなんて、ちょっと常識ないんじゃないですか?」 頭にはきていたが、お婆さんの為だ!我慢しよう。全くどうでもいいような顔つきをされ 「別に丸出しにしろなんて言ってない。首の下辺りが見えたらいい」 「絶対にお断りします。もう一人で帰れますから!」 それだけ言い残すと、自転車に跨って全速力でペダルをこいだ。 『背中フェチ?』そう言えば、告白しに行った女子の背中を見せてもらって、審査するって香織が言ってた。今まで合格した人は一人もいない。判断基準はどこなんだろ?自宅に戻ると、作りかけのサシェの続きに取りかかる事にした。 翌日の朝。いつものように紺色の制服に着替え、ブラウスの上から薄手のニットベストを重ねる。香織にアドバイスされてから、私の定番になっている。V開きの所からリボンを覗かせ、あとは髪をアイロンでカールして完成! 鏡で念入りにチェックしてから家を出るのが毎日の日課。男子を意識しているというよりは、女子からダサ子と思われたくないから。 2年生になると、学園の服装チェックが少し甘めになる。女子は、みんなこの辺りから急にファッショナブルにアレンジを楽しむようになる。 男子も同じ。パーマをかけたり、前髪にやたら触ってみたり…ウチの学園は他校の生徒と付き合ってる子も多いので、男女共注目度が高い。その中でもあの冷酷王子はグンを抜いてるけど。
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