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そこはまるで見覚えもない、薄暗くて長い、通路らしき場所――。
「…ここは、どこなのかなぁ? もはやすっかり迷ってしまったよ。でもきみならわかるよね? だってここの住人なんだから?」
「……っ!」
敷地で言えばこの周囲に山がいくつも含まれるような広大な所有地だ。
そのほぼ中枢に位置する、生まれてから十数年来閉じこもってきた大きな屋敷の中でも、はじめて目にするような寂れた、おまけいかにもワケありみたいな後ろ暗い雰囲気が立ちこめるここは、おそらくは何かしらの地下施設の一角らしい。
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