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10歳離れた倉科さんとは、最近週に一度は会っている。
といっても、会う場所は決まって彼の家。
外でご飯を食べたりすることは絶対にしない。
彼には彼女がいるから。
軽く身支度を済ませて、まだ通勤ラッシュの時間帯に私は彼の家を出た。
玄関から出るときにそこに置いてあったビニール傘を借りようとしたけど、やめた。
都心の駅から歩いて数分のマンションに住んでいる倉科さんはきっと結構すごい。
でも倉科さんがたとえどんなお金持ちでも、それとも実は多額の借金を抱えていたとしても、私には関係ないとわかっている。
駅前のコンビニで300円のビニール傘を買って、大学に向かった。
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