迷い人

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ぱっぱっぱ、と駅名が入れ替わる。 そして、終点にまで行くとまた初めの駅に戻るという、エンドレス周回が42周目に入ろうとしたときに───── カツン...カツン... 階段からだろうか、足音が聞こえてきた  カツン...カツン... 音が、だんだん大きくなるにつれて身構えてしまう。 そして、階段を登ってくるにつれて頭が、細長い頭が! ゆっくりと姿を、表しそして、胴体が、足が、姿を表した。 案山子(かかし)だ。 案山子は最後の一段をキューピーという妙な音を立て登り終えるとバッ! っと僕のところまで飛んできた。 そんなジャンプ力あるなら階段登らなくていいだろ... と、今回最初のツッコミを入れた僕の前に案山子は降り立った。 近くで見て初めて気づいたが、結構汚れている、特徴のあるへのへのもへじ、の口の部分のへが消えかけていてかなり滑稽だ。 カラスにでもやられたのだろうか...服もぼろぼろで所々縫った後がある。 「え、えーとお前何で歩けるんですか?」 緊張でかなりおかしな日本語になってしまったが、そこは許して欲しい。 案山子は答えない。 当たり前だ、口と呼べるようなものは月日の流れで消えてしまったのだかr 「私は... 」 「喋れるのかよ!」 「話の邪魔をしないでよね。せっかくこのプリティな私が自己紹介しようとしてあげようとしたのに!もう、あなたと話す気は失せました!プンプンだもんね!」 「あのなぁ、言いたいことは山ほどあるがそのうちの3つを厳選していってやる。まず1つめ、お前はツンデレなのか、ぶりっ子なのか、ハッキリしろ!」 とまぁ、何でこんなどうでもいい質問を厳選された3つの質問の中にいれてしまったのかと自分を責める清井だったのだが、考えてみればツッコミ役としての血がたぎったというのが妥当な考えだという持論に落ち着いた。 「本当に小うるさいわねペチャクチャと、そんなんだからいつまでたっても童貞なのよ。」 案山子に童貞と言われた!? 「おいおい、僕と初めて会ったばかりの癖に何を根拠に僕が童貞だと決めつけられるのさ。」 まぁ、実際童貞なのだが... 「ふん!あんたみたいな男に彼女が出来るとでも思ってんの?そういうの何て言うか知ってる?自意識過剰って言うのよ。分かる?」 初めて会った人にいきなりプリティな私とかいうほうがよっぽど自意識過剰だと思うのだが... というか、何質問しようとしたのか忘れちゃったし
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