第2章  夢なら覚めて

9/15
前へ
/36ページ
次へ
五月晴れの青空広がる、土曜日。 私は、爽やかな風の吹き抜ける、都心郊外の駅に降り立った。 時刻は、あと5分ほどで午前11時半になろうというところ。 そして、見知らぬ改札を抜けた先では、 今はあまり見たくない顔に、にこやかに迎えられた。 「やあ、今日は元気そうだね」 「お陰さまで」 しかし、なんだか遠足に行くみたいな ウキウキを浮かべる結城くんとは対照的に、私の顔は苦く歪む。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

159人が本棚に入れています
本棚に追加