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だが、そんな事は目に入っていないのか、見なかったことにしたのか。
「じゃあ、行こうか」
爽やかに言われ、零れ出かけた溜息を呑み込んだ。
しかし、これは決して「デート」なるものではない。
これは、れっきとしたお礼。
しかも、あくまでも彼のリクエストに従ったものだ。
そして連れて行かれた先は、駅から10分ほど歩いた場所で、
小さな行列の出来た、ガレットのお店。
しかし、一瞬、彼と「ガレット」なる女子的洒落たメニューが
結びつかなかった。
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