第2章  夢なら覚めて

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しかし、「しまった」と思う間もなく、生真面目な声が腕を組む。 「そうなんだよ。それが、一番手っ取り早かったんだけどさ。 ウチの部署の女性陣、肉食系が多くてね。 『あんなの、おやつでしょ? アレっぽっちじゃ、お腹が空いちゃう』 とかって、フラれちゃってさ」 あまりにもまともな返事をされ、私が、慌てて自分の失言に知らん顔をする。 「まぁ、確かに軽食って感じがするもんね」 ところがそれに、「違うんだよ」と言った彼の目が、にわかに熱を帯びた。
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