第2章  夢なら覚めて

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だが、先日のバーでの飲み代にタクシー代、それとホテル代と いったい何万払ったのだろうというお返しに、ガレットセット一つ。 到底、割に合わないはず。 だが、この奇妙なお礼をリクエストする辺り、 そして熱く語りだしたガレット薀蓄(ウンチク)を、 なんとなく自己完結する辺りが、彼が変人であり 残念な所以(ユエン)だと妙に納得する。 そしてもちろん、高校の頃から変わらないこの性格に、 私が引くことも、驚くことも特にない。 だから、 「そうだね」 私も、なんとなく笑顔を返しておく。
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