第2章  夢なら覚めて

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そして、 「そういえば、結城くん。どこで、ガレットなんか知ったの?」 尋ねると、再び彼の顔がウキウキとし始めた。 「実はさ、俺、大学の時に、ヨーロッパを バックパッカーみたいなのをした事があってさ。 その時に初めて食べて、なんてコンパクトで機能的で、 且つ、美味しい食事だろうって感動してね」 そう話してくれながら、再び遠くに視線を投げた彼は、 どこか少年のような懐かしそうな目をする。 そして、そんな彼の話を少しぼんやり聞きながら、 私の意識は、今日も含めたこの数日の現実からゆっくり後退りしていった。
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