160人が本棚に入れています
本棚に追加
だが、かつては似たような背景にいた仲間も、
月日の流れる内に、様々な背景をもつ雑多な集団になっているはず。
中でも、そんな集団の「女」の目は、ちょっと厄介。
だから、クローゼットの前で、私はつきたくもない溜息をつく。
どうせ何を着ていったところで、キャリア組には値踏みをされ、
主婦組には、羨みを込めて嫌味を言われる。
33歳。
建築デザイナーなんてキャリアを持っているバツイチ女は、
同窓会じゃ、所詮そんな立ち位置だ。
だからこの日は、楽しめるという期待どころか、
むしろ義務に近い気持ちで会場に向かった。
最初のコメントを投稿しよう!