第1章  まさかの朝

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同窓会の会場は、リーズナブルなホテルの宴会場。 入り口脇の受付で招待状を渡すと、 受け取った女性が、にこやかに声を掛けてくる。 「あっ、香奈ぁ。懐かしい。憶えてる? 雅江。さ……、じゃなかった、林 雅江よ」 二児の母と小耳に挟んだ彼女は、 ちょっと体型は変わったが、面影も残っていてすぐに分かった。 「うん、もちろん。久しぶり」 「ホント、卒業以来よねぇ」 確かに、短大に進んだ彼女とバリバリ理系だった私は、 卒業以来、接点が有りようもなかっただろう。 そして、渡した招待状に目を落とした彼女が言う。 「あれぇ? 4年前に同窓会やった時と、名前変わった?」
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