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まあそんな感じで、俺は親戚を説得して一人暮らしという名の家出をしてきたのだった。
今日からは今まで生きてきた世界とは別ところで生きれる。
いつまでも過去に囚われたくはない。
そう思っていたのに、何故こんなことになってしまったのだろう。
「久しぶり!奏太」
なんで俺の目の前に、二年前死んだ幼なじみたちがいるんだ…?
俺は目を何度もこすった。
目は赤くなる一方だったが、現状は変わらないままであった。
「まあそりゃこうなるよねー」
見慣れたツインテールを揺らしながら、幼なじみの斉藤優香に似た子が苦笑する。
「さすがバカ奏太だな」
二年前死んだ桃原翔のそっくりさんが俺をけなす。
「少し痩せたんじゃない?」
いつも俺を心配してくれる赤坂恵とよく似た人が俺を心配してくれる。
そして最後に、いつもなにかと余裕綽々だった桐本隼人と同じ遺伝子を持ってるじゃないかという人が口を開いた。
「さっきから失礼な事考えてるだろ?俺達はお前の幼なじみのそっくりさんじゃないぞ」
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