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「お待たせ。たぶんこのマフラーなら誰でも喜んでくれるはずなんだけど。」
綺麗にラッピングされた袋を弟に渡す。
しかし弟は受け取らない。
「姉ちゃんにあげる……今日誕生日でしょ。マフラー、持ってないみたいだし……」
ニカッと屈託のない笑みでそのマフラーは私への誕生日プレゼントだということを告げる。
「え……?」
いや、うん。
そうだよね……女子とは少ししか触れ合わない(触れ合えない)弟が彼女にプレゼントとか可笑しな話だよ。
確かにマフラーはほしいなぁって思ってたけどさぁ……
身内の誕生日プレゼントなら自分でサプライズしようよ。
少し複雑な誕生日プレゼントだけど……
「……ありがと」
来年はもうちょっと頑張ってください!
そう思いながら私は弟の髪をクシャっと撫でた。
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