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ここ、天ノ川学園高校―通称『天高』は、基本的に、生徒は自由。
ただ、授業にはしっかり出ないと留年しかねないが。
つまり、普通の高校なら立入禁止の屋上にも好き勝手に出入りできる、というわけだ。
そういうわけで、俺たちは今、屋上にいる。
「単刀直入に言う。鬼島。“あの事”をバラされたくなかったら、二度と俺に関わるな。」
―俺は、普通の高校生活を送りたい、んだ。
「は?“あの事”?……アンタ、もしかして昨日の“あれ”のことを言ってるのかぃ?それなら見当違いにも程があるねぇ。」
―見当、違い……?
「ど、どういう、こと、だ。」
動揺で呂律が回らない。
息が、苦しい。
「わからないのかぃ?“あれ”をバラしたところでアンタは追い出されるだけってことさ。世間的には“自主退学”扱いにでもなるのかねぇ。」
などと。
呑気に、言う、鬼島。
その目は、校長の、“それ”で。
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