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校長の唇から男子生徒の唇が離れる。
何か叫んでいるらしい、校長の口元が忙しなく動く、が、窓ガラスに吸収されてしまう。
そんな校長に対し生徒の方は飄々とした様子で扇子を弄んでいた。
―やっぱり、あいつ……
クラスメイト、だった。
名前はたしか……鬼島……だったか……?
落語研究会―通称『落研』の部長で、落語がかなり上手い……らしい。
それにしても……
―なんであいつ、校長と……?
どういう繋がりなのかは知らないが、“これ”は確実に、校長の弱み、だろう。
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