発見

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校長の弱みを握ってやった!しめしめ、などと思っていたら、鬼島が扇子を振りながら部屋から出ていってしまった。 1人になった校長。 腕を組み、溜め息を吐き、いつもの彼とは全く異なる表情で―こちらを見た。 瞬間。 俺の身体は反射的にしゃがんでいた。 彼の視界から隠れるよう。 声は、聞こえない。 しかし、コツコツ、と響く靴底の音は―ガラスに吸収されながらも―僅かに届く。 俺は、音を立てないよう、周囲の雑草や足元のコンクリートに気を付けながら、走った。 走った、というよりは、早歩き、という感じだが。 そして、曲がり角のところで隠れて、様子を窺った。 ガラガラと、立て付けの悪そうな音。 そこから彼が顔を出した、ので、俺は顔を引っ込める。 外に出てきたような音はしない。 ―さすがに追っては来ないか。
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