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結局いつものように、誰も重喜に反論できぬまま、夕食の時間は終わった。
華乃と奏多は、自分の部屋に向かった。ふたりの部屋は同じ廊下にあるので、一緒に歩いていた。
華乃は小さく呟いた。
「結局お父様は、私のためを想っていた訳ではなかったのね。この家の世間体を守るためだったなんて。
珍しく見直していたのに。ガッカリしちゃったわ」
奏多は、パタンと閉まった華乃の部屋の厚いアンティーク調の木製ドアを、無言で見つめていた。
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