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彼は10才年上の長兄の同級生で小さい頃からよくうちに遊びにきていた。
「はるちゃんは可愛いな」
彼は会うたび笑顔を向けてくれ、幼心に蒔かれた初恋の種は順調に大きくなっていった……。
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時はたちある日の仕事の帰り。
地元駅を降り直ぐに彼に会った。
「時間あったら食事にいかない?」
突然の誘いに驚いたが笑顔で頷くと彼と店に向かった。
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店に入って小一時間。
「今月誕生日だったよね」
テーブル上のケーキに目を丸くしていると彼は満面の笑みを浮かべた。
「実は小6ん時、はるちゃんに誕生日プレゼントあげようって。でもはるちゃんが喜ぶ物が分かんなくて、結局何も買えず渡せずって事があってさ。こんなもんで悪いけど、やっと今日叶った」
「ありがとう。その時の気持ちも含めてすごく嬉しい。蒼太スッゴク優しかったよね。よく遊んでくれたし。大好きだった」
「今は?」
そう聞かれ彼に視線を向ける。
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