第4章

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試合も終盤に差し掛かったところで、大きなキャッチャーフライが上がった。 「キャッチャー」 ベンチからの声に空高く上がったボールをキャッチャーが面を飛ばしながら追いかけていく。 そしてフェンスギリギリのところで足から滑り込み、ミットを高々とあげた。 「アウトー!」 審判の声に歓声と拍手が沸く。 「っしゃ」 キャッチャーがガッツポーズをし、落ちた面を拾い上げベンチに戻る。 「ナイスキャッチャー!」 チームメイトは声をかけながら次々と頭や体を叩き喜びを表現し、キャッチャーはそのあたたかい洗礼を笑顔でありがたく受ける。 「イエーイ」 そしてミットをベンチに置いた彼は満面の笑みであたしとハイタッチしくれたのだった。
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