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「俺は好きじゃない子も妹も飲みには誘わないよ。さっき好きって言ってくれたのは俺の聞き間違い?」
その問いにまた首を横に振る。
「俺ももう一回言った方がいい?」
体を離しにっこりと笑顔を向けられた。
「俺ははるちゃんが好きだよ。子供の『好き』じゃない。妹としての『好き』でもない。一人の女の子として、女性としてはるちゃんが好きなんだ。だから……はるちゃんがよかったら付き合ってくれない?」
彼は真面目な顔で。でも優しい顔で聞いてきた。
「……うん」
あたしは涙を拭い頷く。
すると彼は鞄から何かを取り出しあたしの手に握らせた。
「ほら、これあげるから泣き止んで」
手元を見るとそこにはポッキーが。
「やっぱり子供扱いしてる」
あたしは涙を流しながら笑う。
「一緒に食べよう」
そう言って彼はあたしを抱き締めた。
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