PART1 殺し合いのゲーム

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PART1 殺し合いのゲーム

「召喚!」 とある2人が同時に掛け声を放った時だった。 2人はそれぞれ自分の左手の甲に浮かんでいる六芒星の形を叩く。 直後2人の周りは眩い光に包まれた。 そしてすぐに光が晴れたが、周りの景色は変化した。 どこにでも見かける普通の街中の景色から、まるで神話で描かれている古代ギリシャの成れの果てを思わせる世界へ。 白い石で作られた建造物が軒並み存在しており、そこに多くの人が住んでいた事を思わせるが、今は全ての建物が朽ち果てて崩壊しており、人も1人もいない。 そう、ここは昔人が住んでいたかもしれないが、今は誰も住んでいない。 ここはこのゲームの企画者が用意したバトルフィールドだ。 参加者は現実の世界でも戦う事が可能だが、ほとんどはこの世界で行われている。 そして今も、2人の男が戦いの為にこのフィールドを利用しようとしていた。 両者はそれぞれ、異なった武器を所持している。 かたや全ての指と指の間に1個ずつサイコロを挟め、こなた両手にフライングディスクを持って構えている。 するとサイコロの男が笑みを浮かべながら口を開く。 「俺の名前は鈴木淳二だ。お前の名前は?」 「…………」
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