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「高校に通うの。平気?」
半分落ちた目蓋を、必死に押し上げようとする夏樹を抱き上げ
ソファーに寝かした春樹が、毛布を掛けた
途端に、閉じていく瞳
「勿論。また手を繋いで登校しようね」
「・・・・・・ん」
嬉しそうに笑った夏樹が寝入ったところで、本題
「潰さなかったんだね。色街」
この街には通称“狐通り”と呼ばれる、全長12km 幅5kmの色街が存在する
大門から入って直ぐ、目に映る高級二大娼館
右に一級娼館狐神立ち寄り場所
左に二級娼館神官・巫女休憩所
色街全体の20%は個人経営
30%を高橋一族
40%を神官・神谷一族
残りの10%は共同管理区域
学校・市役所・交番・給食センター・病院などを共同管理することで、綺麗さをアピール
一般人から富豪まで、幅広い客層を獲得してきた
「潰した後のリスクが大きくてな。楼主や神官どもと相談の結果、継続することにした」
家族や恋人によるDV被害
親族・友人の連帯保証人
ホストに入れ込み過ぎて、危ない職業の人に追われる男女の、駆け込み寺と化していた現実
『頼むから潰さないで下さい』
追われる身の彼らの逼迫した現状を、軽視出来ないと判断
お金の計算だけでなく、平仮名すら読めない色妓の存在を危惧した春樹たちは
全廃を撤回する代わりにと、高校進学制度を提案
年齢を問わず、学校への登校を義務化したのには当然、裏がある
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