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またユウが浮気した。
相手はクラスでもかわいいって評判のユキナちゃん。
今日はユキナちゃんに面と向かい合って、ユウを取らないでって
言うつもり。
ユウは背も高いし、顔もいい。髪型にもファッションにも気を使う人。
ユキナちゃんなんかに渡したくない。
屋上にユキナちゃんを呼び出した。
ユキナちゃんだけを呼んだはずなのに、何故かユウと腕組して来た。
「ユキナちゃん、ユウは私の彼氏なんだよ!ユウを取らないでよ!」
「ユウ君はミキなんかには似合わないわ!私の方が似合ってるもの。」
「二人とも落ち着いて!話合おう!」
「ユウのせいじゃない!」
「ユウ君、私とミキのどっちを選ぶの!?」
ああ、もう最悪。
こんなことになるなら、ユウなんか好きになるんじゃなかった。
でも取られたらホントに悔しいもん。
ユウの右腕を引っ張った。
ユキナちゃんも負けじとユウの左腕を引っ張った。
江戸時代の話に「大岡裁き」なんてのがあったなぁ。
子供と、母親を名乗る二人の女が出て来て、それぞれが自分の子だって言って、
両方から子供の身体を引っ張るんだっけ。
子供が「痛い」って泣いて、先に手を離した方が本当の母親とか言ってたけど、
ユウを渡したくないもん。
ユキナちゃんもどんどんひっぱる力を強くしていく。
ユウが「痛い、痛いって!」って声を上げた。
その次の瞬間、ベリッて音がしてユウの身体の中心に線が入った。
そして、ユウの右半分が私の方に。ユキナちゃんの方にユウの左半分が分かれた。
その後、連れ帰った彼の右半分は私の部屋で漫画を読んでくつろいでいる。
左半分は、今日ユキナちゃんとウィンドウショッピングだって。
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