プロローグ ~~夢の中~~

2/5
前へ
/135ページ
次へ
雲一つない青空。   散々と照る太陽の光。   そして、その下の数多くある住宅の1つ、そこで俺、水鏡 そら(みかがみ そら)は気持ちよく惰眠を貪っている。       ……はずだった。   はず“だった” 過去形という事は、つまり今は寝てはいないということだ。                         遡ること数分前。   ―――   ――   ―                           「くー…… ん……」   ガラッ。   「そらー? 寝てるの? 入ったよー」   ガララ……。 パタン。   寝てる相手に一方的に言い、一人の少女がそらの部屋に入ってきた。   「おーい。 早く起きなきゃ襲っちゃうよ?」   「うーん……」   ゆさゆさと、少女はそらの肩を揺するが、起きる気配はまったくない。   「もう…… しょうがないなぁー…… それじゃ私の熱いキスで起こしてア・ゲ・ル!」   そうほざいて少女は、そらの唇に自分の唇を――   「口はダメぇ!! ……ってアレ?」                   ―   ――   ―――   そして今に至る。
/135ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加