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「冗談だよー おはよう、そら!」
「本気だったら俺が困る」
なんだコイツ……。 意味わかんねぇな。
「涼香」
俺は目の前で、腰まで伸びた少し茶色かかった髪をいじって、部屋をキョロキョロ見回している少女の名を呼ぶ。
「なぁに?」
依然として視線は部屋の中を物色しているが、返事だけは早かった。
「お前なんで当たり前のように俺の部屋にいる?」
俺は寝癖でボッサボサの頭を掻きながら、疑問をぶつける。
「鍵が開いてたから」
振り返って笑顔で答える涼香。
何故か楽しそうだ。
「鍵って玄関のか!?」
「そうだよー?」
「マジかよ!?」
「ウ・ソ!」
ほほぅ、コイツは俺を舐めてんのか……? いやしかし、ここは落ち着け。落ち着いて状況を把握しよう。
「……ならどうやって入ってきた?」
「……知りたい?」
そう言って涼香は上目遣いで俺の顔を覗き込む。
「勿体ぶるな、早く教えろ」
「そうやって無愛想だと女の子にモテないよ?」
コイツ……。 完全に舐めてんな。
「そんなことお前に言われる筋合いはない。さっきから話が進まねぇじゃねぇかよ……」
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