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「――る、り?」
モニターを見て固まったユーリが、聞き覚えのある名前を口にした。
「るりって……瑠李ちゃん!?」
ユーリの肩越しにモニターを確認すると、確かにそこには瑠李ちゃんの姿があった。
瑠李ちゃんは今年高校を卒業する現役女子高生で、ユーリの年の離れた妹さんだ。
実際に会ったことはなかったけれど、写真を見せてもらっていたので顔は分かる。
「……どうしたんだろ?」
「さぁな。聞くしかないだろ」
眉を寄せたまま通話ボタンを押したユーリが、モニターに映し出されている瑠李ちゃんに話し掛けた。
「瑠李」
『あ、お兄ちゃん!』
ユーリの声が聞こえて嬉しかったのか、瑠李ちゃんが笑顔をこっちに向けて手を振った。
「どうしたんだ突然」
『泊まりに来たんだよ』
ほら、と言ってカメラに写るように持ち上げたキャリーバッグは、直未さんが好きだったキャラクターと同じもので、ドクッと胸が嫌な音を立てた。
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