ユーリの妹

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顔と身体の火照りをリビングをうろうろすることで逃がそうとしていると、「お兄ちゃん!」という元気な声が玄関から聞こえてきた。 その声を聞いて胸の鼓動が激しくなる。 高校生とは言え、ユーリの妹さんと会うのはこれが初めてだ。 緊張しない方が無理な話。 好きな人に好かれたいのは当然だけれど、その人の家族にも好かれたいと思うのは、将来を見据えているからなのだろうか……。 「瑠李、待て」 ユーリの声がすぐそこで聞こえると同時にリビングのドアが開かれ、制服姿の瑠李ちゃんが現れた。 緊張で固くなる私と裏腹に、瑠李ちゃんはツカツカと私の前まで歩みを進めてにこりと笑った。 「初めましてナオさん。三浦瑠李です。お兄ちゃんに彼女が出来たって聞いて、どんな人なのか確認しに来ました。色々試させてもらいますので、お兄ちゃんの彼女でいたいなら頑張ってください」
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