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「結婚か……まだそんな話は出てないけど、いずれ出来たらいいなとは思ってるよ」
自分用に淹れたコーヒーを手に、瑠李ちゃんの隣に少し間を空けて静かに腰を下ろした。
すると、瑠李ちゃんがギュッと眉を寄せて私を見つめ返してきた。
「……彼女だから余裕なんですか?」
「えっ?」
「彼女だから当然結婚出来るって思ってるんですよね」
瑠李ちゃんが寄せた眉をさらに寄せ、血が出てしまうのではないかと心配になるくらい唇を噛みしめた。
「ナオさんよりも……あの女よりも……私の方がずっと長く傍にいたのに」
衝撃的だけれどとても苦しくて切ない瑠李ちゃんの想いが、ソファーにポタッと落ちた涙を見て分かってしまった。
「……瑠李ちゃん」
「何?血の繋がったお兄ちゃんを男として好きなんてキモい?」
涙で潤む目でキッと私を睨む瑠李ちゃんから、本気の想いが伝わってきて胸が苦しくなった。
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