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「ナオさんもあの女と一緒だとは思わないけど、またお兄ちゃんを傷付けるかもしれないと思うと……」
ボロボロと涙を流しながら泣いていた瑠李ちゃんが、突然フフッと笑い出した。
「こんな風に思ってこんなことしてるからキモいって言われるのか」
そんな自虐的な言葉が出るのは、瑠李ちゃんがユーリのことで色々悩んだ結果なのだろう。
まだ若いからこそ、溢れる想いの行き先に戸惑って苦しんで、ユーリを傷付ける存在を排除することで守ろうとしたのかもしれない。
「……私には兄も弟もいないから、瑠李ちゃんの想いに同情も共感もしてあげられないと思う」
「別に分かって欲しくて言ってるんじゃないし」
「その代わりね、」
涙を流しながら私を睨みつける瑠李ちゃんの頭を、ユーリが私にしてくれるようにポンッと撫でた。
「ユーリを好きな女同士、としてならいくらでも話が出来ると思うよ」
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