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「ユーリのキュンとするところやカッコいいところ、逆に呆れるところやムカつくところ。そういうの一緒に話せたら楽しくない?」
私の言葉に目を大きく見開いた瑠李ちゃんだったけれど、すぐに顔をくしゃくしゃにして泣き始めてしまった。
「……その彼女的な……余裕がムカつく……のにっ」
「うん、ごめんね。でも、ムカつく話は私じゃなくてユーリのをしたいんだけどな」
「――ッ、マジムカつ……」
そこまで言って、瑠李ちゃんは子供みたいに声を上げて泣いた。
もちろんまだ年齢的には子供だけれど、ユーリに恋して悩んでここまで一人でやってきて。
立派な大人でも辛いであろう出来事に立ち向かっている瑠李ちゃんを、ちゃんと恋のライバルだと認めてあげようと思った。
「気が済むまで思いっきり泣くことも大事だよ。泣いたあとのケアは私に任せてくれればいいから」
そう言ってタオルとティッシュを渡すと、瑠李ちゃんはまた「ムカつく」と呟いたけれど素直に受け取ってくれた。
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