ユーリの妹

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「――かわいい」 あのあと、しばらく泣き続けた瑠李ちゃんはそのままソファーで寝入ってしまった。 クッションを抱きしめながら体を丸めている姿を微笑ましく思いながら、まだ頬に残る涙を拭ってあげる。 「寒いかな」 目元が腫れないように氷水で濡らしたタオルを乗せ、体に掛けるタオルケットを取りに行こうとリビングを出たところで、思わぬ人影に体が震えた。 「――っ、あ……びっくりした」 そこには、廊下の壁にもたれて腕を組んでいるユーリがいたのだ。 「おかえり……お酒でも買ってきてくれた?」 組んでいる腕にぶら下がっているコンビニの袋を覗き込むと、そのまま抱きしめられた。 驚いて身動ぎするけれど、抱きしめる腕の力が強すぎて全く動けそうにない。 「ユーリどうし――」 「瑠李のこと……ありがとう」 耳元で低く囁かれた感謝の一言で、この一件の黒幕はやはりユーリだったのだと確信した。
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