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優しくされた口づけにじわりと心が暖まり、緩んだ腕から抜け出そうとすると、すぐ側に迫っていた壁に背中を押し付けられてしまった。
「ちょっと……瑠李ちゃんにタオルケット掛けてあげ――」
言葉を途中でやめたのは、ユーリの瞳に甘い熱が灯ったのを見逃せなかったからだ。
「ユーリ待って、ダメ」
私の制止の声は聞こえているはずなのに、ユーリの手は私の体のラインをなぞるように妖しく蠢き、唇は首筋に吸い付いて離れない。
絶対いけないと分かっているのに、このまま身も心も開いてしまいたくなる。
「瑠李ちゃんが来たらこんなこと出来ないって言ってたじゃない」
そうなのだ。
この背中を預けている壁一つ隔てたリビングで、瑠李ちゃんが眠っているのだ。
「だから余計に興奮するのかもな」
「ちょっと!」
「シッ。静かにしてろ。お前が声さえ我慢すれば出来るだろ」
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