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息も唾液も体の力も吸い取ってしまうような激しいキスだ。
こんなキスをユーリにされたのは初めてで、段々と意識も虚ろになっていく。
それでも必死に瞳を開けると、そこには目元を赤く染めて私に食らい付くユーリの顔が見え、バクンッと大きく胸が跳ねた。
……ユーリでもそんな顔するんだ。
好きだと言われて付き合い始めたけれど、実は未だにキス止まりの関係。
いい大人なのに、と思う反面、いい大人だからこそ仕事中心の生活から抜け出せない。
土日定休のユーリと、不定休の私。
お互いの仕事を考えると、無理を押してまで体を重ねようという気になれないのだ。
……というのは私の勝手な解釈で、実際ユーリがどう思っているのかは分からなかった。
「……ん」
「声……我慢出来るか?」
でも、こんな余裕のないユーリの表情を見たら、私の解釈は半分当たって半分間違いだったのだと気付かされた。
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