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ユーリはきっと私のことを想って、今までずっと我慢してくれていたのだろう。
セールの最中、過酷な連勤で毎日栄養ドリンクを飲みながら「はー効く!」と、オッサン並の台詞を吐いている私を、傍で見ているからこそ。
「……んっ……はぁ……ダメ、我慢……出来ないよ」
チッと舌打ちをしたユーリが、私の両脇に腕を入れてフラつく私を支えながら立たせた。
それから深く呼吸をして、自分の胸に押さえ付けるようにして私を抱き寄せた。
「瑠李が帰ったら……お前が嫌だって言っても無理矢理抱くからな。そんな顔と声を聞かされて……禁欲なんて出来るか」
私の頭を抱え込むようにして耳元で囁かれた宣言に、ユーリの服を握りしめながらコクンと首を縦に振った。
――ユーリに女としてちゃんと愛されている。
それを身をもってひしひしと感じ、幸せに胸が震えて涙がじわりと溢れてきた。
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