魔女狩り狩り

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「ひゃはは、おらおらどうした! 殺しちゃうぞ? 殺しちゃうぞぉ??」  徐々にバーチの攻撃が正確に私を捕らえ始めた。白衣が血で赤く染まっていく。仕方ない、出来ればこの魔法は使いたくなかったが……。私は指揮棒を自分に向け、魔法を放った。その直後、バーチの剣が私の左肩を突き刺した。 「あったり~! んっ…………!? い、いってええええ!!」 バーチが左肩を押さえて転げ回った。私はその隙を見逃さず、魔法を連射した。光弾がバーチの右足に命中。これでもう、ちょこまかと魔法を避けることはできない。 「形勢逆転だな」 「て、てめえ一体何しやがった!?」 「痛み移しの魔法だ。移すのは痛みだけだから当然ダメージを受けたのは私の方だし、効果もすぐに切れるから安心しな」  自分で言ったように、徐々に左肩に熱い痛みが襲ってきた。だが、痛がってる場合ではない。ここからが、一番のお楽しみなのだから。突如バーチが立ち上がり、右足を引きずりながら走りだした。 「えっ!? きゃあ!」  バーチの予想外の行動に、逃げる間もなくアイリスが捕まった。首に腕を回され、刃を喉元に押し当てられた。 「ぎゃはは! またまた形勢逆転~! このガキの命が惜しけりゃ、その棒を捨てやがれ!」 「……」  私はバーチに一歩近づいた。 「おい、動くんじゃねえ! 棒を捨てろと言ってるんだ!」 また一歩近づいた。 「て、てめえ聞いてんのか! ガキをぶっ殺すぞ!?」 「やれば?」 「は!?」  その言葉に、バーチとアイリスの顔が凍り付いた。 「自分の身は自分で守れと言ってあるんだ。人質にとられて弱点になるようなら、はなっから連れてきてないんだよ」  私は指揮棒を向けた。恐らくこのまま撃てばアイリスにも当たる。でも私は一切躊躇しない。その瞬間、バーチに隙が出来たと見たアイリスが、万年筆をバーチの腕に突き刺した。 「うぎゃあ!」  そう、それでいい。アイリスがバーチから離れた。バーチに光弾をぶつけると、その体は吹っ飛び床に転がった。間髪入れずバーチの首と両手両足に魔法を放った。それはホチキスの針のようにバーチと床を固定し、大の字に張り付けにした。これで完璧に動きを封じた。さあ、お仕置きの時間だ……。私は脚を振りかぶり、思い切りバーチの顔を蹴飛ばした。奥歯が飛んでいった。 「ぶはっ! ち、ちくしょう、てめえ殺してやる!」
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