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後輩の彼
加勢樹のことを説明しろと言われたら、大抵のクラスメイトは普通の高校三年生の男子と答えるだろう。
特に目立つわけでもなく成績も容姿も普通位。だが彼は俺のことをビビリだと言う。
「加勢先輩、俺が来るたびにビクつくのやめて貰えません?」
彼の周りは、まるでブリザードが吹き荒れているかのような冷たさを感じ、その目でにらまれたら凍ってしまいそうだ。
お前の目が怖いんだよと、そう叫びたい。だが、後が怖くて結局はごめんと謝ってしまう俺だった。
「まぁ良いですけど。さっさと仕事をはじめましょう」
俺は純粋に本が好きで、一年の時から図書委員をしている。
今年から、二年の澤木君がメンバー入りし、俺の班へ入ることになった。
彼は一年の時から学年トップで、三年の俺でも名前くらいは知っていた。
それにクラスメイトの小崎から「弟みたいなやつだからよろしく頼むな」て言われており、俺は澤木君に会うのをすごく楽しみにしていた。
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