第3章  何の勘違い?(続き)

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しかも先週後半から、工事は自宅部分に差し掛かった。 それだけに、更にチェックは細かさを要し、一層の神経を使わざるを得ない。 薄雲に覆われた空の下、そんな現場に着いた私は、 いつも通り、まずは現場監督への挨拶に向かった。 「こんにちは。今日も、ちょっとだけお邪魔させてください」 ここでは一応、私は依頼主なため、立場としては一番上になる。 しかし、九割以上が男性を占める現場で、 しかも、職人である彼らのプライドが結構高いのも十分承知の事。 だから私は、必ず現場では下手に出ることにしている。 そして、もちろん差し入れだって忘れない。
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